2016ライトエロ品評会

http://nasu.bbspink.com/test/read.cgi/erocomic/1452253247/より。このページ最下段から次項へ。

2票作(2つ)

猫なカノジョと犬の僕/けろりん
CgUVEC5UMAAwUsV.jpg
○柔らかいタッチで描かれた可愛らしい女の子たちのハートフル・ラブコメディ短編集。
著者お馴染みの独特のユーモアとコミカルさを感じさせる男女の恋愛模様が魅力の作品集で、
まるでコントを見ているかのようにパンツ見せておっぱい出してそのまま挿入して、
セックスしながらまだコントを続けるそのノリが可愛らしくて愛おしくてたまらない。 ノリとしては
上連雀三平か土居坂崎といった感じなのだが、柔らかいシャーペン画のタッチと上品に描かれた女の子の描写が、
まるで彼らとは間逆の印象を与えてしまうから不思議だ(彼らほどアクの強いギャグではないというのもあるが)
しかしそんな空気をサッと一変する展開を間に入れたりと、コミカル一辺倒でもないところに強い魅力を感じる。
昔は地味で横顔の描写しかなかったような女の子が、ざっくばらんなビッチ系ギャルになってしまった話では、
彼女が滅茶苦茶な理由で主人公と強引にセックスしようかと襲ってきたとき、フラッシュバックで思い出す彼女の顔が、
過去の彼女の横顔と対の絵になっていて、彼女の本心が分かるという仕組みになっており、
コミカルから切なさ香るラブストーリーに作品自体を変えてしまう珠玉の一作になっている。
過去の著者のピザッツ連載作にあったものとは違い、今作は一冊の作品内で世界観を共有しているわけではなく、
2話で一組になっている作品が3つと、それぞれの間に1つずつ計2話のシリアスな読みきりで構成されている。
その内の1話は他の話と随分毛色が違い2人の女性と青年が交わるダークな雰囲気の香る作品で、
義姉に恋する青年が、知人のメガネの女性にそのことを相談しながら練習と称して誘われ体を重ね、
その場面とその後の義姉と体を重ねる場面と、時系列を行き来しながら同時進行で描く展開は、
1話内でエロシーンを2倍にするという実験的な作品になっている。
あとがきでも度々言及されるが、1冊のコミックスとしての纏まりに著者は強い拘りを持っており、
今作は各話それぞれバラエティに富んだ作品になっているが、タイプと順番が工夫されていて、
読者としても1冊に愛着が持てる作りになっており、この点が著者の人気につながっているのではないかと思う。


○サバサバしてるようで面倒臭い女たちと煮え切らないヘタレな男たちが織り成すオムニバス作品
全体的に女臭いんだけどもそれが決して不快では無いのが氏の作品の魅力である
こたつの中で手をつないで赤くなってるシーンなんか
青臭い青春してますね…あーぶん殴りてー
やはりけろりん氏は書店売り成年誌でガッツリエロを描くよりも
シナリオ重視のライトエロのほうがより力を発揮できるのではないかと思いましたまる


淑女のひめごと オンナたちの都市伝説/大見武士
大見表紙.jpg
○熟れた女性達が過去の性体験を語っていく座談会形式の体験談集。
リイド社ではお馴染みの、素人の体験談を基にした再現マンガの最新作。
今作は過去作のように編集部に投稿されてきた読者の体験談という形ではなく、
体験者自らが、それも女性達が編集部に集められて語った話を、その会談の様子も含めて再現した内容になっており、
大枠は過去作と同じだが、もはやタイトルにあるような都市伝説と呼ぶもの、また真偽の曖昧な投稿ものでもなくなり、
リアルとアンリアルの狭間にあるいかがわしさの様なものが大分スポイルされている。
その代わりに妙齢の女性達が語る体験談から浮かび上がってくるのは、男性とは少しずれた倫理観やその背徳的な物語だ。
そして男性の視点ではわからない、己が女体から呼び起こされる真の快楽の発露の告白である。
過去の男性視点の物語は、主に性的接点の無い女性との棚ぼた的な展開が描かれるがゆえに、
この機を逃すまいとする焦燥感が性的興奮を増幅させていた。
しかし性交渉の受け手である女性側の視点では、セックスを受け入れるまでの時間や感情の整理の間が長く、
徐々にエロティックな熱に浮かされ、とかされ、とろけさせられ、
最後に意識朦朧としながらも、おまんこだけは痺れと疼きでとろとろと煮え立ち、
後は怒張がぶち込まれるのを待つだけの状態となるまでが丹念に描かれる。
そして前後不覚のまま蹂躙されながら何度も絶頂を迎える生々しい描写は女性の実体験ならではのエロさがある。
何をするのも支持待ちの彼がこれだけは自信があるというローションプレイ、
エロコンパニオンの仕事をする内、個人的に呼ばれた中年社長の経験豊富で巧みな前戯、
夜中に車中姦するカップルを覗き見て妄想する女性が彼らに混ざっての3Pプレイ等はこの傾向の作品。
一方で著者が描く熟れた女性が高揚と汗に染まる肉体の描写を除けば、?と男性は思ってしまうだろうエロ展開、
例えば高飛車な女性の夫を、彼女への当て付けとして寝取る話や、
一人の男性と長続きしない童貞食いで大学事務員の女性が、彼氏を女装させて押し倒す話などは、
男性の性的興奮とはずれたものを感じるが、女性独特の心理描写が垣間見えて面白い。
気が付けば随分長いシリーズになっているが、素人の体験談という豊富な内容と、マイナーチェンジしていく作品傾向、
なにより実際に起こった事として人間の本質が垣間見えてくる点が飽きることなく読むことができる理由であると思う。

○メンズゴールドで大人気連載の最新刊である。
ライトエロの帝王大見武士の高い画力・人妻たちの非日常な性体験・そしてそれを独白調で描写していく。
これでエロくないはずがない 安定のエロである。(エロすぎて逆に書くことが無いぜ!)

総評

○2016年、エロ目的で購入したB6版コミックス一覧↓
ライトエロ1.jpg
読書ペースを見誤って、まだ未読のものもあったり、早めに感想文を書き始めて終わらそうとしたら、
思いのほか長くなってしまったて結局遅くなってしまったりと
年始から予定通りにことがいかないなぁと思ってしまいます。
ライトエロ界隈の話としてはエンジェルコミックのB6版がいよいよなくなってきたり、
竹書房のライトエロ撤退のうわさが漏れ聞こえてきたりとやはりさみしい状況。
そんな中「妹ぱらだいす!2」以後コッミクス化が絶望視されてきた、
テックジャイアン掲載のエロゲコミカライズの作品が大都社から発売されたのは嬉しいところ。
ストーリー寄りのエロ描写を含み、複数巻に跨るくらいの長期連載をするという文化形態が潰えてしまうのは悲しいです。
俺は最後まで応援する所存ですので、どうか出版者様、作者様、今年も素晴らしい作品を作ってください。

○今年買ったライトエロは30~40冊くらいですかね
ヌキ度重視で選んだ結果ジーウォークが多くなってしまいました。反省。
双葉もマーク付きになったし、リイド社やジーウォークもいつまでライトエロを続けるのか不安ですねえ

  • 最終更新:2017-01-15 01:25:45

このWIKIを編集するにはパスワード入力が必要です

認証パスワード