2022ライトエロ品評会

>>7-8は総評がないので無効です。

ヤンキー娘になつかれて今年も受験に失敗しそうです(6)/ジェームスほたて
眼鏡浪人予備校生とその予備校の清楚なマドンナ講師と奔放サラシ特攻服ヤンキー娘との三角関係?エロラブコメ完結編。
何度も言って申し訳ないがプラトニックな関係を保つ清楚女講師と馴れ合いで気軽にアンアンやっちゃってるヤンキー娘、
両極端な女の子との三角関係ラブコメディを負けヒロイン、つまりサブヒロインという概念を廃し、
真に平等な三角関係を構築することに成功した「実は同一人物でした」というヒロインの設定が大変素晴らしい。
これによりどちらの女の子にも感情移入しやすくなると同時に魅力も2倍になり、
彼女の心の葛藤がビジュアル的に表現されると言う演出的効果も加わっている。
しかし描き方によっては反則技のようなものであり読者もしらけてしまう危険性がある難しい題材を、
絶妙なさじ加減で描ききった著者の構成力はお見事と言うほかない。
佳境に入った物語はリベンジポルノで脅してくるヒロインの元彼をどう打開するのかと言う展開になるが、
気丈に振舞っていても芯が弱い清楚なヒロインと仲間に励まされ立ち向かうヤンキーなヒロインが合わさり、
白シャツタイトスカートという女教師姿の上にトップクを羽織った格好で名乗りを上げ、
元彼たち男共の前で口上を述べる姿は克服を絵的に表していて開放的で実に気持ちが良い。
長いようで短く感じる全6巻であったが終わってしまうと寂しく感じてしまう。長期連載お疲れ様でした。


おねーさんが侵略中!?(2)/さんりようこ
美大を目指して浪人中の青年と突然現れた謎の美女との関係を描いたエロティックミステリー。
いったい何を考えているのか分からない自由奔放すぎるヒロインには何か別の目的があるのでは?
というのが前巻のストーリーであったがこの2巻ではその答え合わせが行われることになる。
しかし徐々に謎が明らかになっていくまでもなく見た目の割りにどこか間の抜けたところを見せつつ、
ミステリアスな雰囲気をポロポロと崩していくヒロインがなんだか可愛らしい。
答え合わせが行われると何が地の彼女の性格だったのかが分かりああなるほどと合点が行く構成がとても面白い。
丁寧にキャラクターの造詣を示して行く描き方は本来の著者の作風に戻りつつある事を示しているが、
実はこの2巻で終了ではなく次巻に続きミステリの体裁を失った本作がどうなるのか気になるところである。


見たいもの見せましょう(2)/たまはがね
奇妙な設定の世界を舞台とした女の子達のエロティックショートショートストーリー。
SFショートショートの様な様々な設定のエロティックストーリー集でありながら、
それぞれのお題で短話でなく連作になっているのが本作の特徴で、
1シチュエーションものではあるがキャラクターが確りと起っており物語も二転三転する。
例えば「ご当地えろ自販機」では地元にいる普通の女の子のエロ本がなぜか売っている自販機の物語で、
好きだった女の子のエロ本を買っていた青年が実際にその子と関係を結ぶことになるのだが、
そこで物語は終わらず彼らはそのままくっ付かずに自販機は変わらず彼女のエロ本を販売し続け時は過ぎて行く。
その後二人は同窓会で再会しそこで…とSF短編の様に安易に人間の業を描くとか社会風刺するといった流れにならず、
奇妙な世界が奇妙なまま次へ次へと物語が展開する不思議な読後感を味わえる。
シチュエーションも豊富で同じアパートに住む男女がお互いの部屋で壁を隔てて性器だけ接触させる「おなぱーと」、
まりもに転生して所有者の女の子が他の転生者である文房具を使ってオナニーする様子を眺める「まりもに転生した件」、
会社の面接という緊張状態にある女の子がトイレで放尿を行う様子を観察する「トイレ面接」など、
ネタ選びの変態性も極めてレベルが高くまた女の子の放尿ネタの多さは成年指定を含めても比肩する物がない程だろう。


◇総評◇
毎月ライトエロを標的として数々の作品を絶版に追いやりコンビニ売りのエロマンガ雑誌の息の根を止めてきた、
あの東京都青少年育成審議会がなんと「指定本なし」という月を出す事態になりました。
これは設立以来のことらしくまた今年に入ってからも指定なしの月が出ており大きな変革の前兆かもしれません。
コンビニ誌であるヤングコミックは上手にその荒波を乗り切りましたが、
またコンビニでエロマンガ雑誌が置かれることになればよいなと思っています。
今年のエロマンガ業界に幸多からんことを願います。

  • 最終更新:2023-01-29 03:46:43

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